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出世鳥 “青雉” 

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“青雉” こと現海軍大将クザンの出世街道に関するお話。
例によってネタバレはジャンプ最新号に沿っているので、
コミックス派の方はご注意ください。
 
 
マリンフォード頂上戦争において “白ひげ” エドワード・ニューゲート、
ならびに “火拳” ポートガス・D・エースは戦死。
戦いは海軍の勝利という結末をもって終局を向かえた。
しかし、そこに新たな時代の到来を予測した海軍最高司令官・元帥センゴクは、
肩書きこそ保持するものの現場からの撤退、事実上の引退を決意する。
その際、後継者として推薦したのは、“青雉” こと大将クザンであった。
戦争において最大戦果を上げた “赤犬” サカズキを差し置いてのその指名は、
読者間で物議を醸すこととなる。

本記事では、その推薦が果たして相応しいのかそうでないのか、
クザンの元帥としての適性はどうなのかを検証してみたいと思う。


 ■ “大将” とクザン
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25年前、彼は、中将であったガープが大将への昇進を再三に渡り拒否したことに対し、
「全くカッコイイな~も~」
と、憧憬の眼差しを向けている。
しかし現在、彼はその大将の座についており、
名目のうえでは、中将のままであるガープの上官となっている。
ガープを 「恩人」 と呼び、また、大将の座を拒み続けたそのガープのスタンスを
「カッコイイ」 と評しながらも、自身は大将への昇進を受けているのだ。
もちろん、恩人であるからといってガープに倣う必要などはないし、
そもそも出世というのは積み重ねてきた功績への評価であり対価でもあるのだから、
それを受けるのに遠慮も負い目も感じることはない。
しかし、ガープの姿勢を 「カッコイイ」 と感じた以上は
彼にもそれに倣う選択肢は当然あったはずで、それをしなかったということは、
ガープにはガープの理念があって昇進を固辞してきたのと同様に、あるいは逆に、
彼には彼なりの理念があって、その地位に就いたのだ。


 ■ クザンの正義
自ら 「だらけきった正義」 を標榜するクザン。
センゴクの推薦に対し、これを理由に不安や違和感を覚えた読者も多かろうと思う。
当然だろう。 どう考えても “海軍最高戦力” が掲げるモットーではない
というか海兵が掲げるモットーではない
もっと言えば、こんなモットーを掲げていい職業や立場などそもそもこの世にない
センゴクとて、よもやそれを知らずして彼を後継に推したはずがない。
クザンには、それを差し引いても次期元帥として推薦されるほどの理由があるはずなのだ。

そんなクザンの正義観が、大きくピックアップされるエピソードがある。
20年前の “オハラ” バスターコール事件がそうだ。
私はここに今回の考察の鍵を見出している。

その事件にあたってのクザンの登場は、
中将として、オハラへ向かう航行の途上にあるという幕であった。
そこで 「スパンダインがオハラに到着した」 と部下からの報告を受けた際、
甲板で居眠りをしていたクザンは、
「いちいち起こしてまで」 「言う事かクラァ!!!」 とその部下を叱責している。
オハラの一件においては、
バスターコールの発動はあらかじめ確定していた可能性が高く、である以上、
「発動資格保有者の目的地到着」 は十分に報告の必要性を有する事項だと思われるのだが、
クザンにとっては瑣末ごとであったらしい
言わなかったら言わなかったで怒られるんだろうな、などという
小市民的な私の感想はさておくとして、
「だらけきった正義」 ここにありだ。 とても元帥などまかせられそうにない

オハラ事件の詳細は本編をお読みいただくとして、
ついに発動されたバスターコールの最中、
親友サウロに政府と海軍の過剰な力の行使に関して詰問を受けた際、クザンはこう答えている。

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「それが今後の世界の為なら仕方ない」
「正義なんてのは立場によって形を変える」
「――だからお前の “正義” も責めやしない」

これはくしくも、センゴクの 「“正義” は価値観…世代は越えられない…」 と共通した見解である。
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“正義” とは相対的であり、また流動的であるとするものだ。
また、参考画像からもわかるとおり、クザンはそれぞれ続けて
「現に学者たちは法を破ってんじゃない…!!」
「――ただおれ達の邪魔をするなら」 「放ってはおけねェ………!!!」 ともしている。
これらの発言、特に 「おれ達の邪魔をするなら」 という言い回しからクザンは、
自分の身とその “正義” を、海軍、もしくは世界政府に置くことをよしとしていることがわかる。
“空白の100年” を巡っての学者たちへの強硬な措置も、
あくまで 「法を破ったがゆえの処罰」 と認識しているのだろう。
(実際、学者たちの行いに何の非もなかったとは言いがたい。
 彼らは彼らで、一種の “強硬手段” に踏み切っているのである。
 政府を信頼する者からすれば捨て置けるものではない)
同じ事柄から、自身の “正義” と海軍への “信頼” が揺らいでしまったサウロとは対照的だ。

その一方で、当時から既に “過剰な力” の代名詞といって差し支えないサカズキを、
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「バカ野郎………!!」
「あのバカ程行き過ぎるつもりはねェよ!!!」
と、わずか2ページの間に2度もバカ呼ばわりして非難している。
更に、ロビンの脱出に際しては特定こそしていないものの、
「……徹底した正義は……時に人を狂気に変える」
と、ほとんど名指しのように危険視している。
先のサカズキの暴挙とて “正義” のためであり “平和” のためであり
“未来” のためであり “政府” のためであることには変わりないのだが、
クザンはそれを認めていないし、受け入れてもいない。
世界政府への信頼が、決して過信や妄信の類などではないことの証左である。
また、サカズキが指名されなかった理由もこのあたりにあろう。

確かにサカズキは、戦闘力はもちろん、統率力や智謀にも秀でており、
先述のとおりマリンフォード戦争における戦功も突出している。
そういった点だけ見れば、まことにもって元帥に相応しい人材である。
しかし、下位の階級ならばともかく、軍の最高司令官ともなると、
ひとつの事例の功績で判断するわけにいかない部分があるはずだ。
加えて、上記のように、サカズキなど “過剰な力” “狂気化する正義” の象徴である。
「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」 という先人の言葉が示すように、
彼の盲目的とさえいえる正義観は、
海軍、ひいては世界政府にとっても逆に危険なものになる可能性が高いのだ。


 ■ “元帥クザン” の誕生は?
ここまでみてきたことからもわかるように、
クザンの正義観は極めて冷静、かつバランスの取れたものであり、
軍の統帥者として相応しいといえる。
そうしたことから鑑みるに、最大の不安材料である 「だらけきった正義」 にも、
「執行する裁きが “暴走” にならないように」 「“正義” に呑まれて “狂気” に走らないように」
常に自制を利かせよという意味合いが含まれているのではないかと考えられる。
案外、クザンがそうした自制的姿勢を自ら 「だらけきった正義」 などと表現しているのも、
一種の照れ隠しだったりするのかもしれない。
事実、アイマスクこそ最後まで手放さなかったものの
だらけた気配など微塵も見せなかったマリンフォード戦争や、
直前までだらだら全開でいながら、スイッチひとつ入れ替えて “海軍最高戦力” として
その力をまざまざと見せつけたロングリング・ロングランドでの事例が示すとおり、
彼はやるときゃやるのだ。

センゴクもそれを理解しているがゆえに、
期待し、また信頼しての後継指名だったのではないだろうか。

onepiece_43.jpg

この画像からもわかるように、件の推薦も、
(正確にはこの前のコマからになるが) 少々強引とも言える話題の切り換えから発している。
恐らくは、どうしてもこの場で言っておきたかったのだ。

とはいえ、このまますんなりクザンが元帥に就任するとは限らない。
センゴクの推薦とてあくまで 「推薦」 であるし、
それ以前に当のクザンがその任を受けるかどうかはまだ知れない。
「現任者からの推薦」 は確かに大きな後押しだが、最終的な決定権をもつのは
恐らく “五老星” なり “世界政府全軍総帥” であるコングであろう。
彼らが 「俺犬派だから」 などといった理由で
サカズキを強行指名する可能性だって決してゼロではない。
また、先には 「彼には彼の理念があって大将の座に就いた」 とはしたものの、
ガープが “中将” を自らの最終的なポジションと決めたように、
クザンも “大将” をそう決めている可能性もある。

また、ここまでの登場では単独行動が多かったため、
軍の統帥者として最も肝要な 「集団統率力」 がいまいち測れない点や、
照れ隠しだろうがなんだろうが、
軍中に普段のだらけっぷりによる悪影響が出ないかという点など疑問も残るが、
この結論を示し、結びとしたいと思う。


 【 結論 】
“青雉” クザンは、海軍元帥に相応しい正義観念の持ち主であり、
その “資格” は十分なものである。
ただし、“適性” に関しては更なる調査を要する。


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コメント

冗長ですね。

上々ですね。

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