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HUNTER×HUNTER 第298話感想 

ハンター×ハンター (No.12) (ジャンプ・コミックス)ハンター×ハンター (No.12) (ジャンプ・コミックス)
(2001/07)
冨樫 義博

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暗くてわずかに明るい日
貴方は狭い個室で二択を迫られる
誇りか裏切りしか答えはないだろう
死神が貴方の側に佇む限り

 
 №298 「薔薇」

■ 切り札は先に見せるな
見せるなら更に奥の手を持て…か。

自身の名を得た王ことメルエム。
ようやく叶った念願であったのにイマイチ反応が薄いのは、
思ったほど気に入らなくて期待はずれだったから…ではなく
老いてるー!!ガビーン!!!なネテロから、生まれて初めての恐怖を感じていたからでした。
寒気…? この俺が…!? そう、認めざるをえまい。これは寒気だ。
しかし、こうして“悪意”と“進化”という語句を並べちゃうと、ますます『ネウロ』の世界ですね。
『HUNTER×HUNTER』に入ってからは、福本伸行先生などの影響が非常に濃い冨樫ですが、
この男の、他作品のテイストを取り込む貪欲さは半端じゃないので、
遥か後輩にあたる『ネウロ』から吸収したものがあっても不思議ではありません。
問題があるとすれば、
『ネウロ』の連載中は、その多くの期間において冨樫不在だったことでしょうか。

それにしても……怖いっつうの
ゴンとはまた別の方向性で怖い怖いネテロの邪悪極まりないエガオ
金正日 ディーゴの護衛を食ってた時のメルエムなんぞよりよっぽど邪悪です。
加えて、背景の髑髏なんぞよりもよっぽど凶兆。
プフのオーラなんぞよりもよっぽど、この世のあらゆる不吉を孕んでます。

先週も触れたノヴの
「会長は予定通りの場所に王を運んだ」
「護衛軍が今からどう動こうが」「もう間に合わない」
という言葉どおり、確かにこの場での一騎打ちに入ってしまった時点で、
もう王には始めから負けて撲殺されるか、勝って爆殺されるかの2択しかなかったわけですか。
孫子曰く「まず勝ちて しかる後に戦う」
福本伸行曰く「勝つべくして勝つっ…!」
案外、会長が最期に王の名を告げたのは、別に負けを認めたからということではなく、
冥土の土産としてだったのかもしれません。
思えば会長は戦いに入る前、
「この任務、誰かを犠牲にせねば果たせない」という旨の独白をしていましたが、
捧げた犠牲とは他でもない会長自身であったわけですね。
恐らく、あの時点で全て覚悟していたんでしょう。


■ 核の華
というわけで、会長の奥の手は、多くの人々が予想していたとおりのものでした。
もちろん、俺もこの回の感想で予想…し……た……あれ? あれれ?
………してない…。
俺、予想してねえええええええ!!! 殺虫剤の話しかしてねええええ!!!!!
なんてこったい!! 俺の結末は「会長の奥の手を殺虫剤と予想してはずす」かよ!!!!
うっおー!! くっあー!! ざけんなー!!
だいたいいつもどおりじゃねえか!!!!

…とまあ、核兵器でした。
直接明言はされていませんが、小型で高威力な点や最も重要なのは技術である点、
作中世界での所有問題を始めとした扱われ方などなど…やはり「核兵器」なんでしょうね。
現実世界には色々としがらみがありますから、あえてこんなアレンジ?を加えたのでしょう。
穿った見方をすれば、爆煙が薔薇の形になるのも、
「キノコ雲じゃありませんよー。だからこれは核爆弾じゃないんですよー」
というアピールなのかもしれません。
まあ、あんまり考えてて楽しい気持ちになれることじゃありませんが、
「遊星より愛をこめて」みたいな前例もあるわけですしねー…。

これは確かに、「小国家の独裁者」に好まれそうですね。どくさいスイッチの次に
宮殿のバルコニーとかから、頭の悪そうなおっさんが地物のワイン片手に
薔薇の爆煙を眺めて下品な馬鹿笑いする絵が容易に想像できます。
そして、これが世界中に封印もされないまま数十万発存在している………
何これ、キメラアント勝ち目ないじゃん、人類に対して。
「人と蟻でどこがどう違うのか」
やー、人間の方がずっと怖い気がしてきたよ。
蟻、人間を選別するとか食うとか言ってる場合じゃないですよ。
仮にある地域を支配して根拠地にしたところで、これ撃ち込まれたらどうしようもないじゃない?
“堅”とかで耐えきれるものなの?
そういえば『幽遊白書』でも、最終的に達した結論は「妖怪よりも人間の方がコワイ」でしたね。
…あ、これちょっと俺の個人的解釈入ってます。
厳密には「妖怪より人間の方がタチが悪い」というオチの話があったというだけ。

現実の核兵器を基準にして考えるなら…という話になりますが、
人間の国家間戦争には使えないけど、キメラアントの軍勢になら喜んで使うよ、人間これ。
「人類を侵略生物から護るため」なんて格好の題目もあるわけだし。

「一度核ボタンって押してみたかったんだよねー」
「実はミーもヨ。ホントはイヤだけど人類護るためならしかたないネ!」
「アイヤー、ワタシもアル。ポチッとな」
「あ、抜け駆けはずるい! じゃあウチも押すスキー」

みたいに。
まあ占領されてる地域一帯の住人は当然巻き添え喰うけど、聖戦に犠牲はつきものです。

もともと「実際の名刀 ≧ 念で具現化した“よく斬れる刀”」な世界ではあったんですが、
「現実的な兵器 > 作中の超能力(あるいは最強の戦士)」と
明確に格づけしてしまったのは冨樫、ずいぶん思いきったものです。
「核撃ちゃいいじゃん」ってのは、
現実、もしくはそれに近い世界観でのフィクションでは、一種タブーに近かったですからね。
無視するか、もっともな理由をつけて却下するのが普通でした。
『ネウロ』のシックスなんかも
「人類を滅ぼすだけなら核兵器落とすのが一番手っ取り早い」とはしながらも
「それじゃ自分たちも住めなくなるから駄目」と退けてましたね。
…もっとも、最後の手段として使う気はあったみたいですが。
でも結局、さすがに持ち出せなかったというオチがついてました。
ちなみに、藤子F先生の短編『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』(SF全短編 ・第1巻)では、
人類の敵に実際に小型核ミサイルを撃ち込んだりしました。効かなかったけど

ところで、“薔薇”の仕掛けは
「ネテロの心臓停止を条件に起動」という念操作がかけられていたんでしょうか?
それとは他に、「ネテロの死をもって爆発を強化する」ような念を付加されてたりしたら、
とんでもない破壊力になりそうですが……逆に過剰になっちゃうのかな。
まあ、会長のオーラは“百式の零”に全てつぎ込むことになってるはずだから、どっちにしろ無理か。


■ ヒトのトリガー
プフの「蟻の本性を剥き出しにした表情」も確かに怖いですが、
それでもやっぱり、ゴンの無表情や会長のエガオの方が数段怖いと思う次第。

現場の惨状を目のあたりにして危うく精神崩壊しかかってるプフに
的確な指示を飛ばすことで辛うじて理性を取り戻させるユピー。
以前はプフにもウェルフィンにも単細胞扱いされてた彼ですが、やたら冷静で頼もしいです。
彼自身憤怒も当然あるのでしょうが、怒りを頭とは別の場所に蓄積する術を得たことが、
こんなところでも功を奏している模様。
本当に大人になりましたね…。

「奴等」を悪魔にしたのは王ではなく会長のような気もしますが、
甘ちゃんのナックルもとうとう、彼らとは決して解りあえないということを悟ってしまったようです。
図らずも同タイミングで、当のユピーも同じ結論に至っています。
皮肉なことに、双方全く等しい結論に辿り着いたことで、
ほのかに見えかけていた和解エンドが完全に崩壊してしまいました。
とはいえ、メルエムとて人類に歩み寄りを見せながらも、
人間を食うことをやめる気はさらさらなかったようなので、
もとより、イメージほどに和解エンドなど見えていなかったのかもしれませんが。

380P最後のコマ、灼熱の中を歩くユピーの
「見たくないものを見てしまいそうだが、見ないわけにはいかない」
というような表情が、なにやら妙に身につまされます。
そうして、「何か」を発見した彼ら。ラス前のコマは判りにくいですが、
変わり果てた王の姿を目にして慟哭するユピーの口かな?
そしてラストのコマの端、翼を閉じた蝶が意味するものとはっ?
…と、いかにも王は死んだかのように書きましたが、
実際にはまだ生きてると思います。恐らくは瀕死の状態で。
(爆発の直前、立ち上がってるのはひとつの鍵だと思う)
となればもちろん、ユピーらに保護され、ピトーに治療を求めることになるわけですが、
そうなったその時、ピトーはどうするんでしょうか。
コムギの治療を中断して王にかかるのか、
あるいは王を後回し、ともすれば見殺しにしてでもコムギの治療を続行するのか……。
んでまあ、ここで冒頭の唐突なパクノダの予言詩が出てくるわけです。
日曜日にコミックスを読み返したこともあってふと、
ピトーの現状は、本当にあの時のパクノダとそっくりだな、と思ったもので。

「貴方は狭い個室で二択を迫られる」
→ パクノダの時と同じく、当人の頭の中。
「誇りか裏切りしか答えはないだろう」
→ 誇り=当初の意志どおり王が王であるためにコムギを助ける
  裏切り=コムギを放り出して王を助ける
「死神が貴方の側に佇む限り」
→ 死神=ゴン
「暗くてわずかに明るい日」はまあ……ジャンプの発売日ってことで。

ゴンってば、パクノダにとっても死神。ピトーにとっても死神。


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